今日はボクの大好きなサッカー選手の話をします。といっても、ちょっとサッカーの話とは違います。出来ればこのblog、最後までおつきあい下さい。何か特別な感情を与えることが出来たら幸いです。
ボクが今まで見てきた中で、最も大好きな選手、アンドレス・イニエスタ。彼のテクニックは観るものを魅了し、目の前の者は絶望に陥れる世界でも稀有なフットボーラー。
今日は、彼の人間としての深さを書かせて下さい。
彼の所属チームはバルセロナ。今最も有名であろうメッシとネイマールを擁する世界最高のチームの一つ。ボクはイニエスタのデビュー辺りからバルセロナのファンになり、ずっと見続けてきました。(最近あんまり観れてないが><)
で、彼は偉大な先人たちとプレーを共にすることで、メキメキと力をつけていきます。当時、イニエスタの前で活躍した選手は、彼のことをこういい表しました。
「お前は彼に引退させられるよ」
と言ったのは、バルサの心臓グアルディオラ。言われたのは、後にイニエスタと黄金時代を築き上げるシャビ・エルナンデスでした(結局素晴らしい共存を遂げることが出来たのですね)。
で、彼は当然スペイン代表にも選ばれます。
2010年のワールドカップ。彼はスペインの中心選手として活躍します。彼の力も多分にあり、スペインは決勝へと進むことが出来ました。
時間内で決着がつかず、延長戦へ。そして延長でも点が入らないと誰もがPK決着かと思った矢先、イニエスタはやってくれました。
待望の得点を決めたのはイニエスタ!完全スペイン贔屓でイニエスタ贔屓のボクは歓喜の雄叫び!
そして、これがそのまま決勝点となり、見事スペイン代表は初優勝!それは記憶と記録に残る優勝となりました。
ただ、そこには悲しくも美しい物語がありました。
時は、ワールドカップ前まで遡ります。
このバルセロナがあるカタルーニャっていう町には、もう一つサッカーチームが存在します。そのチームは「エスパニョール」日本の中村俊輔が所属していたこともあるので、もしかしたら聞いたことはあるかもしれません。
同じ町にチームが二つあるって、それはそれは怖いことなんです^^。特に海外のチームにとっては特別。お互いがお互いを罵り合い、ダービーでもあろうものなら警官隊が多数出動。とにかく、やっべーぞ、の状態なのです。
そこに、ダニ・ハルケという選手がいました。この選手はエスパニョールの星。当時の唯一チームのスペイン代表を叫ばれていた選手。ファンからとことん愛された選手でした。
イニエスタとダニハルケは親友でした。年も近く、Uスペイン代表ではよく行動を共にし、同じ刻を過ごしていた仲間でした。
しかし、悲劇は誰も知らずにやってきます。
彼は、向こうの世界に旅立ってしまいました。
原因は急性心筋梗塞。恋人と電話の最中突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまいました。
それは、ワールドカップの前の年の話。
ファンは、とにかく悲しみました。
悲しみにくれたのイニエスタも同じ。彼は、誰よりもワールドカップでハルケと共にプレーすることを夢見ていたのです。ずっと一緒だった仲間。チームはお互いを憎しみ合うほどの敵同士だったが、気の合う仲間。その無念は計り知れないものがあったでしょう。
しかし、イニエスタはハルケと共にワールド決勝のピッチに立ちました。
この姿を見た全エスパニョールファンは涙します。
なぜならダニハルケが、そのピッチに立っていたのだから。
イニエスタがユニフォームを脱いで現れた手書き文字。その言葉はこうでした。
DANI JARQUE SIEMPRE CON NOSOTROS
(ダニ・ハルケ、僕達はいつも共にある)
実はサッカーでは服を脱ぐと非紳士的行為としてイエローカードの対象となります。こ例え残りの時間が短いといえど、それはチームにとってマイナスの要素しかありません。
しかし、彼は決めていました。得点を上げたらどんな時間でもこの姿をハルケに見せると。ハルケの家族にもみてほしいと。
ボクは当時この意味をすぐに知ることが出来ませんでした。なぜならスペイン語はボクのスキルになかったのだから。
でも、後からこの話を聞いて、涙し、さらにイニエスタが好きになりました。
そして、イニエスタを好きになったのは、なんとエスパニョールファン。バルサの選手のことなどこれでもかっていうほどケチョンケチョン扱いするファンが、彼のことを好きになりました。
そのエピソードはこちらをご覧ください。
おそらく、人が人に真に優しくなれるのは味方になった時ではなく、仲間になった時なんだと思います。味方を作るということは、敵も作るというこだから…
同じ目的を共有し、同じ時間を共にし、お互いを思いやる心が出来た時、世界は変わるのだと思います。
そして、
ありがとう。
その気持ちを共に想い合うことが出来た時、より感動に包まれるのだと思います。
今日は、そんなblogでした。
ありがとう。
今日は特に読んで欲しかった。
これを泣きながら書きあげたのは、ここだけの話です。