「宝石を買ってください」という電話相手へのゴキゲン的対処法

少し昔話をします。もう20年前の話です。ボクが家でいる時に一本の電話がかかってきました。相手は女性で、まあ簡単にいうと、どこそこで宝石を売るから一度来てみてほしいという電話でした。

ボクは宝石に興味はなかったのだけど、こういう電話には興味がありました。興味があるっていうのはこの女性に対してではなく、この女性の心理的なことでした。

どう考えてもこの手法でお客さんがたくさん来るわけないのです。そして、ありえないほど断られているはずなんです。だから、そんな人の気持ちを知りたくて。本当に宝石が素晴らしいと思っているのか、仕事だから電話をかけまくっていいるのか。今どんなメンタルなのか。

でも

「今どんな気持ちで仕事してるんです？」

なんて聞けないじゃないですか。こっちは断る気満々でいるんだし、そんな話にもっていけるわけもなく。

だから、まずは思っていることを正直に話しました。

「ボクは宝石には興味がないんです。力になれずすいません。興味がある人に電話がつながるといいですね。わざわざ電話ありがとうございました。頑張ってください」

こんなことを言ったと記憶しています。

正直面倒臭い電話ではあったけど、ボクはこの人のことを、いっぱい電話しなきゃいけないんだろうなとか、なかなか契約はとれないだろうなとか、でもこうやって一つ一つ頑張っているんだなとか、そう思うと嫌な電話ではありませんでした。

そんなことから彼女を労って電話を切ると、彼女も少しは報われるのかなって思ってそう伝えました。

すると、それから彼女の口調は一変しました。すごく丁寧な言葉で話していたのに、ちょっとタメ口になったのです。

「ありがとう」

普通ありがとうございますだと思うんだけど、意外過ぎてこの言葉はよく覚えています。

そしてそれから彼女の本音が炸裂していきました。

電話してるけどなかなか来てくれない。

仕事だからやっている。

もう疲れた。

そんなことです。ボクは少し心配して、そんなこと今ここで言っても大丈夫なん？と聞きましたが、大丈夫大丈夫。と言いました。ボクは、俺に来てもらえるような営業トークしなくてもいいの？とも聞きましたが、大丈夫大丈夫、もういいから。と言いました。

むしろちょっと行ってあげたくなるような感じでした。行かなかったですけどね。

そしてまた最後にお礼を言われました。楽しい時間を過ごせたと。

それを聞いて、なんか溜まっていたものを吐き出せたのかな？と思いました。よかったよかった。

ボクも断った身ではありますが、いい時間を過ごせたと思います。

これでblog終わりではさすがにアレなんで、このボクの過去の出来事で何が言いたかったかを書きますね。

こんな電話がかかって来た時点でイラっとする人もいると思います。貴重な時間を奪われたとか、そんなもん買うわけないやろがいって思ったりして憤慨する人も多いと思います。

でもこんな電話がかかってきて、相手の立場になって考えるのもいいと思います。相手の背景や感情を考えて、それにちょっと共感して、自分だったらこうされたいなってことを伝える。

それで相手は少しゴキゲンになれると思うのです。

そして自分もゴキゲンにね。

ゴキゲン思考では幸せは自分と相手の間にありますからね。

もちろん時間的に余裕がない場合などはさっさと切った方がいいですけど、ゆとりがあるのならそう邪険に扱わずに、丁寧に対応すると今までと見える景色が変わってくるかもしれません。

かかって来た時点で不機嫌を選択するのか、ちょっと思考を変えて相互ゴキゲンを創り出すのか。

そんな感じです。

もちろん、向こうがなんとも思わないケースだってあります。でもそれでもいいのです。その時はその時で、「まいっか」のゴキゲンを選択すればいいのです＾＾

緩やかに、豊かに。

そんな人生もなかなかいいですよ＾＾

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